いとうせいこうが自分にゆかりがある職人と対談をする連載をまとめた単行本(の文庫)。爆笑問題の本に続いて息抜きのつもりで読んだらドップリハマる面白さ!職人相手の対談だけあって、技術的な話に終始することが多いけど、いとうせいこうの絶妙な知識バランスで判り辛い部分も噛み砕いて説明されたようになるので、すんなり入れる。
扇子作り職人や、手ぬぐい職人等下町っぽい人に限らず、スイッチャーの人(と今は言わないらしい)や、ラジオの効果音技師の人にもスポットを当てて人選が幅広い。
結構皆さん経歴とか仕事の手法はバラバラだけど、共通して言えるのは自分のやることに対してストイックで自己管理が厳しいということと、職人が作るものは必ずその道具を使う人も存在するので、ひとりよがりになっていない。あと、人として他人を引き込む粋なユーモアも忘れていない。魅力的なモノを作る人は、人間的にも魅力的ということでしょうか。
まがいなりにも自分も音を作ってるので、ストイックに追求する心とそれを楽しむ人の事は忘れない、1曲出来上がったらゴールでなく、次の作品のスタートになる気持ちを持つということを再確認した一冊。
なにかしらモノ作りに携わってる人は読んだ方がいいと思う本でした。
★★★★★+★